建設業許可の種類
建設業許可の種類
建設業許可は、大きく分けて12種類あります。
知事許可と大臣許可
建設業の許可は、都道府県知事又は国土交通大臣のどちらかが行います。
この区分は工事の請負金額や業種の別にかかわらず、営業所の所在地によってなされます。
※ ここでいう「営業所」とは、本店、支店、常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、少なくとも次の要件を備えているものをいいます。
- 請負契約の見積り、入札、契約締結などの実態的な業務を行っていること。
- 電話、机、各種事務台帳などを備え、居住部分などとは明確に区分された事務室が設けられていること。
- 建設業の請負契約の締結等の権限を付与されたものが常勤していること。
- 専任技術者が常勤していること。
したがって、登記上の本支店で区別されるわけではなく、実態上の要件により営業所か否かの判断がなされます。
知事許可とは
知事許可とは、1つの都道府県の区域内のみに営業所を設ける場合の許可です。なお、1つの都道府県の区域内に2つ以上の営業所を設ける場合も知事許可に含まれます。
大臣許可とは
大臣許可とは、2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設ける場合の許可です。例えば、山梨に本店を置いて、東京や大阪に支店(営業所)を設けるような場合が該当します。
工事や営業の制限について
知事と大臣の許可の区分は、営業所の所在地をもってなされるものであるため、どちらの許可であっても、建設工事を施工し得る地域又は営業し得る地域に制限はありません。
一般建設業か特定建設業か
建設業の許可は、その業種ごとに一般建設業と特定建設業の2つに区分され、どちらかの許可を受けなければなりません。なお、同一の業種について一般と特定の両方の許可を受けることはできません。
一般建設業許可とは
一般建設業許可とは、建設工事を下請に出さない場合や、下請に出した場合でも1件の工事代金が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)未満の場合に必要な許可です。
そのため、一般建築業許可のみを所持する建設業者は、発注者から直接請け負った建設工事で、4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の下請契約を締結することはできないことになります。
特定建設業許可とは
特定建設業許可とは、発注者(建設工事の最初の注文者)から直接請け負った1件の工事について、下請代金の額(下請契約が2つ以上あるときはその額)が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる建設工事を施工するときに必要となる許可です。
つまり、発注者から直接請け負ったものでない限り、下請契約金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上であっても、「特定」の許可を受ける必要はありません。
元請業者以外の第1次・第2次・・・下請業者がさらに下請を出す場合には、契約金額に関わらず特定建設業許可は不要です。
特定建設業許可の指定建設業
「土木工事業」「建築工事業」「管工事業」「鋼構造物工事業」「舗装工事業」「電気工事業」「造園工事業」の7種の業種については、施工技術の総合性などを考慮して「指定建設業」に定められ、特定建設業の許可を受けようとする者の専任技術者は、1級国家資格者、技術士の有資格者又は国土交通大臣が認定した者でなければならないことになっています。
建設業許可の「新規」「更新」「業種追加」
「新規」とは
建設業許可の「新規」とは、新たに建設業許可を受けようとする場合で次のケースが考えられます。
- 許可を有していない者が、新たに許可を申請する場合
- 現在受けている許可とは異なる行政庁の許可を新たに申請する場合
- 異なる業種で「特定」と「一般」を申請する場合
現在有効な建設業許可を国土交通大臣又は都道府県知事から受けていない者が、今回新たに許可申請する場合です。
例えば、建設業の無許可業者が許可業者となるために新規許可申請をする場合や会社を設立して建設業を営む場合に新規許可申請をする場合などです。
現在有効な許可を受けている者が他の行政庁から新たに許可を受けようとする場合です。これを「許可換え新規」といいます。
例えば、大臣許可を受けている業者が、営業所の閉鎖などにより知事許可に換える場合や、東京都の知事許可を受けている業者が、営業所移転により山梨県の知事許可へ換えたい場合などです。
例えば、A業で「一般」の許可を受けているが、新たにB業で「特定」の許可を申請する場合などです。これを「般・特新規」といいます。
「更新」とは
建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年間となります。
引き続き建設業を営もうとする場合は、許可の有効期限満了日の30日前までに、許可更新手続きをしなければなりません。
なお、山梨県の知事許可の場合は、許可の有効期間満了日の2ヶ月前から更新申請の受付を開始しています。大臣許可は3ヶ月前から受付開始です。
更新手続きを怠った場合には、許可は自動的に失効しますので注意が必要です。
「業種追加」とは
業種追加とは「一般」である業種の許可を受けている者が、さらに「一般」で既に受けている業種以外の許可を受けようとする場合に必要な許可です。
なお、ある業種の「一般」で許可を受けている者が、他の業種の「特定」で許可を受ける場合には、「般・特新規」になります。